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一般歯科
■病と老化と治療について■
時々、治療が上手くいかない患者様から「これは年齢のせいだから仕方ないのですか?それとも病気ですか?」と尋ねられることがあります。
私の病と老化に関する考えは以下のようになります。
人を機能的要素で分けて考えると、
1. 発生・成長・増えてくる性質をもつところ(爪、髪、皮膚等)
2. 燃焼するところ(筋肉等)
3. 吸収するところ(胃腸等の粘膜)
4. 制御・循環するところ(神経、脳等)
5. 排泄するところ(尿、汗等を出す働きをするところ)
の5つの要素に分けることができます。
若く力の強い人は、筋力も強くそれを維持する為に胃腸も丈夫で排泄量も多くなります。
それに対し、高齢になってくると筋力は衰えますがエネルギーの消費量も減少しますので、消化する力や排泄量も少なくなります。
また激しいスポーツを行うこともなくなり神経系も少しずつ弱くなっていきます。
このように5つの要素がバランス良く弱くなることを老化と考えます。
しかし、5つの要素のうち1つが弱くなると生きていく上での機能性のバランスが崩れます。
(例えば、肝機能が低下すると全身の倦怠感が強くなり皮膚は黄色っぽくなり手足の震えがでるようになります)この状態を病と判断しています。
歯科医師の私が口の中をどのような機能で分けているかは以下のようになります。
1. 歯根膜・顎骨(歯を支えているところ、細胞の新生が重要)
2. 咬合筋(燃焼)
3. 唾液の量と質(消化、免疫)
4. 歯と三叉神経のセンサー
5. 味覚(食物の選別)
1が弱いと歯が抜けるのが早く、義歯になります。
2が衰えるとせっかく歯があっても舌を噛んだり食物を上手く咀嚼・嚥下できなくなります。
3に問題があると歯周病が進行しやすく、虫歯もできやすくなります。
食事の量が減少し、力が衰え、軽度の歯周病であっても5つの要素のバランスが良いと必要な機能は維持され安定します。
これは病ではなく老化なので、機能的な訓練が重要になってくると考えています。
歯科治療においては、一度治療してもまたぶり返して悪くなるような経験をされた方も多いと思いますが、
口の中の問題は様々な要素を考え合わせることで解答を出していくことが可能ではないかと考えています。
院長 山田 裕